バリ島の『成人式』と言われるポトンギギ(Potong gigi)に参加してきました!
色んなお祭り・儀式が山ほどあるバリ島ですが、人が生まれてから死ぬまでに必ずやらなくてはいけない儀式というものがあります。その中のひとつで、お葬式や結婚式と同じくらい重要な儀式!
まるで王子様&王女様のようなきらびやかな衣装!素敵~♪
成人式と言っても、日本のように年齢が決まっているわけではなくて、高校生~20代前半ぐらいの結婚前にやるのが一番多いようですが、かなりお金のかかる儀式なので、結婚後にやる人もいます。
このポトンギギと呼ばれる成人式、何をやるのかというと、歯を削ります!
バリでは尖った犬歯が獣性(理性のない動物的な要素)と考えられていて、尖った犬歯を削ることで理性ある人間になるという意味合いがあるんだって。さらに犬歯2本とその間に挟まれてる4本の歯も一緒に合計6本を削ることになります。
さてさて、この摩訶不思議な儀式を早速ご紹介します!
真夜中に始まった儀式、まずはポトンギギ用の正装(白と黄色で統一)に着替えて身を清めていきます。
その後は高僧の家に移り、ポトンギギの始まり!
この日はポトンギギに適した日だったらしく、たくさんの人であふれかえってきました。
バリヒンドゥーではカースト制度があり、今でも根強く習慣が残っています。
一般生活ではほとんど違いを感じないけれど、このような儀式の場合は顕著に表れてくるんですよねー。
ここではあえて細かく説明しませんが、ものすごく階級の差を感じる瞬間。。。
準備されたゴザの上に寝て歯を削られるのですが、両親がしっかりの子供の足を抑えてあげます。
この時、悪霊などのネガティブなものが掛かりやすい状態になるらしく、親類が周りを囲って見守り、歯を削られている最中は絶対に目を閉じてはいけないのだとか。
祈りをささげてから、始まり、始まり、、、
オダランなどで聞く青銅製ガムランの音色ではなく、スロンディンと呼ばれる鉄製ガムランの音色がなんとも心地よい~。
最初はノミでコンコンと軽く前歯を叩き、やすりに変えてゴリゴリ削るのですが、最初は荒めのやすりで簡単に削るだけなので、こんなものなのかーなんて思ってたらっ!細かいやすりに持ち替えて本格的にゴリゴリ!
動画後半になると、かなりゴリゴリ削られているのがわかるはず。
思った以上に削られますよ~。
削った歯のかけらはココナッツの殻の中に収めてその後の儀式に使われます。
終わった後は色んな薬草を噛み千切り、最後にアラックで口の中をゆすいで浄化。
このポトンギギを受けている最中は、まるで歯医者で虫歯を削られているような(笑)そんな感覚ですね。
特に痛みを感じることもなかったです。
ここからしばらくの間は断食が始まります。
この時点で夜中の2時半。全く寝てませんよ~(苦笑)
その後休む暇もなく今度は美容室へ直行!
まるで王族のような美しい衣装に身を包み、今度は自宅での儀式が始まります。
高僧に聖水をかけてもらい、所縁のあるお寺を回って祈りをささげて終了。
全て終わると、やっと断食が終了。寝ず食わずで夜から昼近くまでかかってしまいました。
この時、お供えした食事を食べるのですが、親に食べさせてもらうんですよ。
形式的に一口という感じではなく、お腹いっぱいになるまで!
ポトンギギの儀式って必ずやらなくてはいけない「親の義務」と言われていますが、この一連の流れをすべて見て思ったのですが、
ポトンギギの始まるとき、我が子に布をかけてあげ、しっかりを足を抑えてネガティブのものを近づけないように見守っていたり、すべての儀式が終わったらご飯を食べさせてあげたり。
親として、子を守ってあげる最後の儀式であり、子が親に甘えられる最後の時なのかな、と。
だから成人式なのかなーなんて思いました。
実際に経験してみることで、本当に色んな意味を感じれるバリの儀式。
見学できるチャンスがあれば、ぜひディープな世界を覗きに行ってみてください!
いつもとは違うバリが体験できるかも!
NANA
ディープですね。歯削り、西洋医学的に問題ないのでしょうか?日本人は薬漬け。日本人は日常生活が成人病に直結です。
末廣さん、こんにちは!
いつもコメントありがとうございます~♪
歯を削ると言っても軽く削るだけなので、それほど体に影響が出るほどでもないのかなーって感じです。
かなりディープな儀式ですよね(^^;
まだまだバリはハーブなどで治療するという人も多いので、日本のように病院や薬に頼る感覚とはちょっと違うかもしれませんね。
末廣さんも食生活などしっかり管理して、これからもお元気にお過ごしくださいね!
NANA